ASW-G-08 BARBATOS LUPUS REX

 ガンパク14出展作品 その2。

 TVアニメ『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』から主人公機『バルバトスルプスレクス』です。前作バーザム編の最後に書いたように、本作品から1/100スケールになります。詳しい理由は思いの外、長文になったので文末に。
 1/100スケールの設計に際して、どんな感じになるのか不明だったのでなるべく付属品(背負子とか武器とか)の少ない機体で、且つ特徴の出易い機体、と考えて選んだ機体になりますが、人体バランスからは外れた、もっと獣感のある見映えを目指したのですが、なんかこう、纏まっちゃいましたね。

 各部のアップ。今回、従来よりもサイズが小さいのと機体色のベースが(久しぶりの)白なので、ディテールアップのため全身の描き込みに挑戦してみました。やっぱり慣れないとダメですね、ちょっと五月蠅い感じ?
 『立体でどこまで再現するか』に関しては、胸部ダクト・腰アーマー・膝フィンは立体にしてみましたが頭部ツノ・ダクトなんかは1枚紙で描き込みで対応。この辺の境界が難易度を左右する感じかな?
 半面、可動部は極力少なくする方針でテイルローダーは敢えて固定です。

 今回の特徴の1つ、下腕部と拳。本当は六角柱をベースにもっと立体感があるんですが、思い切って直方体にオミット。パイプは再現したけど、装甲ディテールは紙の重ね貼りで再現(1/60スケールだともっと厚みを持たせるために、これも立体化するはず)。
 拳は開きと握りの2種。どちらも爪を再現。その際、爪は共用できるように調整しました。

 更にアップ。バルバトスルプスレクスの腰は俗に『折れそうな』と言われる形状で、実際にはもう少し湾曲してるんですがそこはオミット。その代わりパイプは再現して見映えで誤魔化し。パイプやダクト類を極力立体で再現したので作製難易度として少し高めかも。

 と言う訳でバルバトスルプスレクスでした。
 作っている当時は第4形態を始め、全形態作って並べてみるのも乙かと思ってましたが、今その欲求は下降線。気が向いたら作るかも。


【1/100スケールにした理由】
 昨今、皆さんのこれまでの不断の努力によってガンペパの認知度も上がってきました。しかし、ガンプラのように広く一般に普及しているとまではまだ言えません。
 その理由の1つに、従来の1/60スケールだと少なくとも数千円、大作になると1万円を超える価格帯になり、また構成パーツ数も多くなるためになかなか初心者には手を出し難いものがあったと思います。(設計に携わる者の習性として、サイズが大きくなると見劣りしないようにディテールに拘りたくなるもので、そうするとパーツの構造が複雑になり、比例して組み立て難易度が格段に上がってしまうのはご理解ください。)
 それに対して1/100スケールにすると、ベースが『紙』であることの性質上あまり細かいパーツ構成には出来ず、イイ意味で『簡略化』を求める必要があり、ひいてはそれがパーツの単純化・数削減に繋がり組み立て難易度が下がると共に価格を下げる余地が出てきます。そうやって、作り易い作品が安価に手に入るようになれば、初心者の方も手を出し易くなり、ひいてはガンペパ仲間の裾野を広げることができるのではないかと。そして、1/100スケールでは物足りなくなったらステップアップとして1/60スケールに挑戦していければいいかと。
 個人的な意見として本当は、ペーパークラフト初心者は『SD(スーパーデフォルメ)モデル』から初めてもらうのが最適だと今でも思っています。1/100スケールでは、幾ら簡略化を目指しても一定のクオリティを確保するには限界があり、どうしても1パーツが小さくなってしまい、ペーパークラフト初心者にはそれも難易度が上がる1つになります。
 それに対して『SDモデル』はより大胆に簡略化が可能になることで、パーツ数の削減が実現でき、且つ1パーツを大きく確保することが可能になるため作製の難易度を更に下げることができます。『ガンペパってどんな感じで作るんだろう』と思っている方には打って付けだと思います。
 『それならオマエもSDモデル作って普及させろ』とのご意見もあるかと。何体か作ってみましたが、アレ、設計が難しいんですよ。スケールモデルなら参考資料そのままに縮小すればそれなりの見映えは確保できるんですが、SDモデルはイメージを崩さずに適度にパーツを削減する必要があり、それにはセンスが問われるんですよ。自分にはそのセンスがない、と判ったので代替案として1/100スケールを始めた訳です。

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 なんて書いてますが、実際のところ1/60スケールだと飾っておくスペースがないんですよ、ホントのとこ(笑)単純計算で1/8(設置面積なら1/4)で済みますから。使う紙の量も比例するのでお財布にも優しい、と。
 そんな訳で、コレを作ってみてこのサイズが意外と自分に合っていると感じたので、これからはこの1/100スケールモデルでの設計をメインに進めていこうと思います。